コラム
モルモットをお迎えしたら知っておきたい!毎日を元気に過ごすための飼育方法
2026.11.04 その他
「モルモットをお迎えしたけれど、何を食べさせたらいいの?」
「ケージはどんなものがいいの?」
と悩まれる飼い主様も多いのではないでしょうか?
モルモットは穏やかで人懐っこい性格が魅力の小動物ですが、食事や飼育環境の変化に敏感な動物でもあります。
健康に過ごすためには、正しい飼育方法を知ることが大切です。
今回は、モルモットが健康で快適に暮らすための飼育方法について、分かりやすくご紹介します。
モルモットってどんな動物?

モルモットは南アメリカ原産の草食動物です。
体の大きさは約20~30cm、体重は700~1,200gほどが目安で、品種や性別などによって個体差があります。
寿命は一般的に5~8年程度といわれています。
鳴き声や仕草で気持ちを表現することが多く、人に慣れると近づいてきたり、おやつをおねだりしたりする可愛らしい一面もあります。
お部屋(ケージ)の準備

モルモットが自由に動き回れるよう、十分な床面積があり、横幅にゆとりのあるケージを選びましょう。
ケージには以下を用意しましょう。
・ 牧草入れ
・ 給水ボトルや倒れにくい水入れ
・ フード入れ
・ 隠れ家
・ 床材
床材には、紙製などの柔らかく、ほこりが少ない吸水性のあるものを選びましょう。
ペットシーツを使う場合は、かじって食べてしまわないか確認してください。
網状の床は足裏への負担となることがあるため避けましょう。
また、床が濡れたり汚れたりした状態が続かないよう、清潔に保つことも大切です。
また、モルモットは暑さや高温多湿に弱いため、特に夏場は注意が必要です。
エアコンなどを使用して快適な温度・湿度を保ち、直射日光が当たる場所や急激な温度変化を避けましょう。
食事の基本は「牧草」

モルモットの健康を守るために最も大切なのが食事です。
①牧草(チモシー)
牧草はモルモットの食事の基本です。
豊富な繊維質を含み、消化管の正常な働きを維持するとともに、歯の適切な摩耗にも重要な役割があります。
新鮮な牧草を、いつでも自由に食べられるようにしておきましょう。
②モルモット専用ペレット
牧草を基本としながら、モルモット専用のペレットも適量与えます。
ビタミンCが適切に配合された製品を選び、年齢や健康状態に合わせて与えましょう。
与えすぎると肥満や牧草の摂取量低下につながることがあるため、体重や体型を確認しながら量を調整することが大切です。
③ビタミンCが必要!
モルモットは人と同じように、体内でビタミンCを作ることができないため、毎日の食事から摂取する必要があります。
ビタミンCが不足すると、食欲低下や元気消失、体重減少、関節の痛みや歩行異常、出血しやすくなるなどの症状がみられることがあります。
モルモット専用のペレットや、ビタミンCを含む新鮮な野菜(ピーマン、パプリカ、小松菜など)から適切に補給しましょう。
初めて与える野菜は少量から始め、便や食欲の変化を確認してください。
ペレットに含まれるビタミンCは保存状態や時間の経過によって減少することがあるため、賞味期限や保存方法を確認し、新鮮なものを使用することも大切です。
※果物は糖分が多いため、おやつ程度の少量にしましょう。
お水はいつでも飲めるように

新鮮なお水をいつでも飲めるようにし、毎日交換しましょう。
給水ボトルを使用する場合は、飲み口が詰まっていないか、正常に水が出るかを毎日確認してください。
飲水量が急に減ったり、増えたりした場合は、体調不良のサインである可能性があります。
毎日のお掃除

モルモットのケージは、おしっこやうんち、食べ残しなどで汚れやすいため、毎日のお掃除が大切です。
毎日、
・ 汚れた床材の交換
・ 食べ残しの処分
・ 排泄物の除去
・ 給水器や食器の汚れの確認
などを行いましょう。
特に床材が濡れた状態が続くと、足裏の皮膚トラブルにつながることがあります。
ケージ内を清潔で乾燥した状態に保ち、定期的にケージ全体の洗浄も行いましょう。
スキンシップも大切

モルモットは優しく接することで、少しずつ人に慣れていきます。
抱っこをする際は急に持ち上げず、片方の手で胸の下を、もう片方の手でお尻を支え、体全体を安定させましょう。
無理な抱っこはストレスや落下事故につながることがあるため、その子の様子を見ながら少しずつ慣らしていくことが大切です。
毎日の健康チェック

モルモットは体調が悪くても、外見からは異常が分かりにくいことがあります。
毎日、次のような様子を観察しましょう。
・ 食欲や飲水量に変化がないか
・ うんちの大きさや量がいつもと違わないか
・ おしっこの色や量に変化がないか
・ 元気や活動量が低下していないか
・ よだれが出ていないか
・ 体重が減っていないか
特に体重は、例えば週に1回など定期的に、できるだけ同じ条件で測定・記録し、普段の体重を把握しておきましょう。
食欲や便の量が減っている場合は、体重の変化が小さくても早めに動物病院へ相談することが大切です。
モルモットによくみられる病気や体調の異常

モルモットでは、次のような病気や体調の異常がみられることがあります。
歯の病気
モルモットの歯は生涯伸び続けるため、歯の摩耗が不十分だったり、噛み合わせに異常が生じたりすると、不正咬合などの歯科疾患につながることがあります。
食欲低下、牧草を食べなくなる、よだれが増える、体重が減るなどの症状がみられます。
日頃から十分な牧草を与えることは歯の健康維持に重要ですが、牧草だけですべての歯科疾患を予防できるわけではありません。
卵巣嚢胞(女の子)
卵巣に液体のたまった袋状の構造ができる病気で、中高齢の女の子のモルモットに比較的多くみられます。
腰から体の側面にかけて左右対称に毛が薄くなったり、お腹が大きくなったりすることがあります。
ただし、目立った症状がみられない場合もあります。
嚢胞の大きさや状態によっては食欲低下や腹部の不快感などにつながることもあるため、気になる変化があれば早めに受診しましょう。
尿路結石
モルモットでは、膀胱や尿道などに結石ができることがあります。
血尿が出る、排尿時に痛がる、何度も排尿姿勢をとる、尿が出にくいなどの症状がみられることがあります。
特に尿がほとんど出ない場合は、尿路閉塞の可能性もあるため、早急な受診が必要です。
皮膚病
ダニなどの外部寄生虫や真菌(カビ)などが原因で、脱毛、かゆみ、紅斑(皮膚の赤み)、フケなどの症状がみられることがあります。
皮膚病の種類によっては人に感染するものもあるため、皮膚に異常がみられた場合は早めに動物病院へ相談しましょう。
胃腸うっ滞(消化管運動の低下)
胃腸うっ滞とは、胃や腸の動きが低下し、食べ物やガスなどの内容物が正常に移動しにくくなった状態を指します。
胃腸うっ滞は、それ自体が独立した病気というよりも、歯科疾患や痛み、食事内容の問題、脱水など、さまざまな原因によって引き起こされる病態です。
食欲低下や便の減少、元気消失、お腹の張りなどの症状がみられることがあり、重症化すると命にかかわる場合もあります。
胃腸うっ滞が疑われる場合は、その原因を調べて適切に治療することが重要です。
食欲や便の量が明らかに減っている場合は、長時間様子を見ず、早めに動物病院を受診しましょう。
こんな症状があれば早めに受診しましょう

次のような症状がみられる場合は、長時間様子を見ずに動物病院へご相談ください。
・ ご飯を食べない、食欲が明らかに落ちている
・ うんちが出ない、量が少ない
・ 呼吸が苦しそう
・ 元気がなく、じっとしている
・ よだれが増えている
・ 急に体重が減った
・ 血尿が出る、尿が出にくい
・ 腰や体の側面の毛が左右対称に薄くなってきた
特に、呼吸が苦しそう、ぐったりしている、尿がほとんど出ない場合は、すぐに動物病院へ連絡してください。
ご飯を食べない、便が出ない場合も、翌日まで様子を見ずに相談しましょう。
よくあるご質問(Q&A)

Q1. モルモットには牧草だけを与えていれば大丈夫ですか?
A. 牧草はモルモットの食事の基本ですが、牧草だけでは必要な栄養素を十分に補うことができません。
モルモット専用のペレットや新鮮な野菜も適切に組み合わせ、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。
特にモルモットは体内でビタミンCを作ることができないため、毎日の食事から十分に摂取することが大切です。
Q2. ビタミンCのサプリメントは毎日与えた方がいいですか?
A. 毎日のビタミンC補給は必要ですが、必ずしもすべての子にサプリメントが必要というわけではありません。
専用のペレットや新鮮な野菜から十分に摂取できている場合もあります。
食事内容や健康状態によって必要量は異なるため、使用する製品や量は獣医師に相談しましょう。
飲み水に混ぜる方法は、ビタミンCが分解されやすく、飲水量によって摂取量も変わるため、おすすめしていません。
Q3. モルモットが牧草を食べなくなった場合はどうすればいいですか?
A. 牧草を食べなくなる原因には、歯科疾患や消化管の不調など、さまざまなものがあります。
ペレットやおやつを食べていても、牧草を食べなくなった場合は注意が必要です。
特に食欲全体が低下している場合や、便の量が減っている場合は、長時間様子を見ずに早めに動物病院を受診しましょう。
Q4. 元気そうでも定期的な健康診断は必要ですか?
A. はい。モルモットは体調不良が外見から分かりにくいことがあり、飼い主様が気づいたときには病気が進行している場合もあります。
健康診断では、体重や全身の状態、歯の状態などを確認し、必要に応じて追加の検査を行います。
元気なうちから定期的に健康状態を確認しておくことが、病気の早期発見につながります。
まとめ
モルモットが健康に過ごすためには、
・ 牧草を中心としたバランスのよい食事
・ ビタミンCの適切な補給
・ 清潔で快適な飼育環境
・ 適切な温度・湿度管理
・ 毎日の健康チェック
・ 定期的な健康診断
が大切です。
モルモットは体調不良が外見から分かりにくいこともあるため、普段の食欲や便の状態、体重などを把握しておくことが病気の早期発見につながります。
「食欲が落ちた」「便が少ない」などの変化に気づいたら、早めに動物病院へ相談しましょう。
飼育方法や食事、健康状態について気になることがありましたら、お気軽に当院までご相談ください。
WRITER
今井 勇太郎 JAHA認定総合臨床医
ヒイラギ動物病院 院長・獣医師
2025年4月に神戸市中央区でヒイラギ動物病院を開院。犬・猫はもちろん、ウサギやハムスター、フェレット、小鳥、爬虫類などのエキゾチックアニマルまで幅広く診療しています。
「大切な家族に、安心して相談できる動物病院でありたい」という思いのもと、一頭一頭に寄り添った丁寧な診療を心がけています。JAHA認定総合臨床医として総合診療を軸に、眼科・消化器・皮膚科・エキゾチックアニマル診療にも力を入れ、分かりやすい説明と納得いただける医療の提供に努めています。