お知らせ
子猫の避妊・去勢手術はいつ?
メリットと注意点を獣医師が解説
2026.07.16
子猫をお迎えした飼い主様からよくいただくご質問のひとつが、「避妊・去勢手術はいつ頃したらいいですか?」というご相談です。
避妊・去勢手術は、望まない妊娠を防ぐだけでなく、病気の予防や問題行動の軽減にもつながる大切な手術です。
今回は、手術を行う時期やメリット、注意点について分かりやすくご紹介します。
〇 避妊・去勢手術はいつ頃するの?

一般的には生後5~6ヵ月頃での手術をおすすめしています。
猫ちゃんは成長が早く、早い子では生後6ヵ月頃から発情が始まります。
初めての発情を迎える前に手術を行うことで、将来的な病気の予防効果が高まるとされています。
ただし、体格や健康状態によって適切な時期は異なりますので、診察時にご相談ください。
〇 避妊手術(女の子)のメリット
①望まない妊娠を防ぐ
猫ちゃんは一度の出産で複数の子猫を産みます。
避妊手術を行うことで、計画外の妊娠や出産を防ぐことができます。
②乳腺腫瘍の予防
乳腺腫瘍は猫ちゃんでよく見られる腫瘍のひとつで、わんちゃんと比べて悪性の割合が高いとされています。
初回発情前に避妊手術を行うことで、発症リスクを大幅に下げることが期待できます。
③子宮や卵巣の病気を予防
避妊手術では子宮や卵巣を摘出するため、
・子宮蓄膿症
・卵巣疾患
などの病気を予防することができます。
④発情によるストレス軽減
発情期になると、
・大きな声で鳴く
・落ち着きがなくなる
・食欲が低下する
といった行動が見られることがあります。
避妊手術により、こうした発情によるストレスを軽減できます。
〇 去勢手術(男の子)のメリット
①スプレー行動の予防
オス猫は発情すると、自分の縄張りを主張するために強い臭いの尿をかける「スプレー行動」を行うことがあります。
早めに去勢手術をすることで予防できる可能性が高くなります。
※すでに始まっている場合は改善しないことがあります。
②発情による脱走防止
発情したメス猫を探してお外へ出ようとするため、脱走や事故のリスクが高まります。
去勢手術によってそのような行動を抑える効果が期待できます。
③ケンカによる怪我や感染症リスクの軽減
発情したオス猫は他の猫ちゃんとケンカをする機会が増えます。
その結果、
・怪我
・猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)
・猫白血病ウイルス感染症(FeLV)
などの感染リスクが高まります。
去勢手術によってこれらのリスク軽減が期待できます。
④精巣の病気を予防
去勢手術では精巣を摘出するため、精巣に関わる病気を予防することができます。
〇 手術後の注意点

太りやすくなる
避妊・去勢手術後はホルモンバランスの変化に加え、必要なエネルギー量が減少するため、以前と同じ食事量を続けると太りやすくなる傾向があります。
適切な食事管理や運動を心がけましょう。
手術後は安静に
手術後は傷口を気にして舐めたり、激しく動いたりしないよう注意が必要です。
傷の状態や食欲、元気があるかをしっかり見てあげましょう。
手術後は、術部を舐めたりしないようにエリザベスカラーもしくは術後服を着用します。
〇 よくあるご質問(Q&A)

Q1. うちの子はまだ小さいのですが、本当に生後5〜6ヵ月で手術して大丈夫ですか?
A.
健康状態に問題がなければ、生後5〜6ヵ月頃での避妊・去勢手術は一般的に安全に行うことができます。
むしろ初めての発情を迎える前に手術を行うことで、乳腺腫瘍などの病気の予防効果が高まることが知られています。
ただし、体重が小さい場合や持病がある場合には適切な時期が異なりますので、診察時にご相談ください。
Q2. 避妊・去勢手術をすると性格は変わりますか?
A.
手術によって猫ちゃんの性格そのものが変わることはほとんどありません。
ただし、発情に伴う落ち着きのなさや大きな鳴き声、スプレー行動、攻撃性などが軽減されることがあります。
そのため、「穏やかになった」と感じる飼い主様も多くいらっしゃいます。
Q3. 手術後は太りやすくなりますか?
A.
はい、避妊・去勢手術後は必要なエネルギー量が減少するため、以前と同じ食事量を続けると太りやすくなる傾向があります。
そのため、手術後は避妊・去勢後用のフードへ切り替えたり、食事量を調整したりすることが大切です。
適切な体重管理を行えば、肥満を防ぐことは十分可能です。
Q4. 日帰りで帰れますか?
A.
当院では、多くの猫ちゃんが日帰りで避妊・去勢手術を受けられています。ただし、猫ちゃんの体調や手術内容によっては、経過観察のために入院をおすすめする場合もあります。
詳しくは診察時にご説明いたします。
Q5. 発情が来てしまってからでも手術はできますか?
A.
はい、発情が始まってからでも手術は可能です。
ただし、発情中は血流が増えているため、通常より出血しやすくなる場合があります。
また、乳腺腫瘍の予防は初回発情前に手術を行った場合に最も高いとされていますので、可能であれば発情前の手術をおすすめしています。
Q6. 手術前に検査は必要ですか?
A.
検査によって隠れた病気や体調の変化が見つかることもあります。
当院では、麻酔の安全性を高めるため、手術前に身体検査、血液検査およびX線検査を実施しています。
Q7. 全身麻酔は安全ですか?
A.
健康な子猫でも麻酔には一定のリスクがあります。当院では術前検査や麻酔モニターを用いて安全性に配慮しています。
〇 まとめ
避妊・去勢手術は、望まない妊娠を防ぐだけでなく、さまざまな病気やトラブルの予防にもつながります。
一般的には生後5~6ヵ月頃が目安ですが、猫ちゃんの成長や体調によって適切な時期は異なります。
「いつ手術したらいいの?」「うちの子はもう受けられる?」など、ご不明な点がございましたらお気軽に当院までご相談ください。
愛猫が健康で快適な生活を送るためにも、適切な時期の避妊・去勢手術について、ぜひ一度ご相談ください。